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てんかん治療について教えてください

(バーニーズマウンテンドッグ/メス/2歳8ヶ月/名前・トフィ)
今年の4月末に初めて癲癇発作を起こしました。すぐ検査をし、(軽い水頭症の疑いも拭いきれないが)続きほぼ特発性癲癇との診断を受けました。その後、2週間後に1日に3度の発作を起こしたため(うち2度は連続)フェノバールを与え始めました。
1日2回1錠ずつから始まった投薬は、毎月の血液検査の結果(6/27-4.6mg、7/26-10.2mg)今では当初の倍の1日2回2錠ずつを与えています。
投薬開始後は月1度の発作だけだったのに、8/2に2度の重責発作を起こしました。その日から投薬量を2錠ずつにふやしたにもかかわらず、たった2週間しかたっていないのに昨夜また2度の発作を起こしました(発作間隔は4時間)。
発作が発作を引き起こすと読んだことがありますが、このままどんどん発作回数は増えていくのでしょうか? そして投薬量を増やして薬漬けにしていかなければいけないのでしょうか? とても不安になります。
また、癲癇に効果のあるという神経系を落ち着かせるハーブ「テンパーメンドソリューション」や「バレリアン(ヴァレリアン)」、そして消化酵素である「エンザイム」、癲癇に効くという「ビタミンB6」こういったものを与えることに関して先生はどのように思われますか?
科学的根拠はないもないいわゆる「民間療法」を藁をもつかむ気持ちで試してみたい気もしますが、本当に何の悪影響もないのか心配です。エンザイムのような酵素は「肝臓の消化酵素を高める」とあります。そうすると、今飲ませているフェノバールなどが聞かなくなるのでは・・・と素人なりに考えたりしてしまいます。
お忙しいところ申し訳ありませんが、アドバイスよろしくお願いいたします。(トフィママさんより)


トフィママさん、こんにちは。
2才8ヶ月のバーニーズのトフィちゃんが癲癇発作を起こし、抗癲癇薬であるフェノバールを与えても発作がなかなかおさまらず、8月2日には2度の重責状態になってしまったとのことですね。
重責状態とは、発作がおさまらず長く発作が持続してしまう状態で、とても危険な状態です。

癲癇発作の場合、第一選択薬として、一般的にはフェノバールが選択されます。
フェノバールの投薬量は規定の投薬量から始めますが、症状がおさまらない場合は、増量されます。
また、症状とは別に血液検査でフェノバールの血中濃度を測定することが重要です。
血中濃度が20〜30μg/dlが一番効果を発揮する濃度です。
したがって、7月26日の10.2(mg?)が血中濃度だとすると、フェノバールの投薬量が少ないのかもしれません。
薬漬けというより、ちゃんと効果が出てくるであろう血中濃度(20〜30μg/dl)になるまではフェノバールの投薬量を増やさなくてはいけません。
逆にフェノバールの血中濃度がちゃんと20〜30μg/dlの範囲に入っているのに発作がおさまらない場合は、フェノバール以外のお薬(臭化カリウムやゾニサミド等のお薬あるいはそれらの併用)に変更する必要がでてくると思います。

この点をふまえて、かかりつけの先生と良く相談してみてください。
最後に「民間療法」というか健康補助食品等に関する件ですが(今までにも何人かの方からご相談をお受けしておりますが)基本的にはこういったものは治療効果が科学的に証明されていない物(正確に言うと治療効果をうたってはいけない物)ですので、私自身は効果はあまり(ほとんど)期待できないと考えております。(2005.8.20)