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肉球の間の皮膚が赤く腫れ上がっています

(トイプードル/オス/10ヶ月/名前・ぽーちゃん)
3、4日前くらいから足の裏の肉球(特に後ろ足)をひたすらぺろぺろ舐めているため、見てみたところ、続き肉球の間の皮膚が赤く腫れ上がっていました。
腫れの程度は一部がぽっこり、という感じなのですが、色が赤くなっているため、かゆそうな、痛そうな、そんな感じです。
きっとその腫れが気になってずっと舐めていたんだとおもいます。
思い当たることといえば、散歩の後、いつもお風呂場で足を洗ってあげるのですが、タオルで肉球の間も軽くふいてはいたのですが、完全に乾かしてあげていなかったときがありました。
このことが原因しているのでしょうか?
今後の自宅でのケアや、散歩から帰ったあと足を洗う際の留意点などアドバイスいただければ幸いです。(けんさんより)


けんさん、こんにちは。

肉球の間が赤くなりかゆみを伴う皮膚病は「指間膿皮症」などと呼ばれる皮膚病だと思われます。「膿皮症」とは、皮膚に細菌が増殖し、炎症が起きる皮膚病のことを言います。

原因は色々ありますが、
1.細菌等の感染によるもの:肉球の間は通気が悪かったり、毛穴(毛穴は細菌にとって格好の増殖場所となり得ます)があったり、時にアトピーやアレルギー等の体質があったりと、細菌にとってプラスに働く条件がそろうと細菌が増殖し、炎症が起きます。
皮膚表面にはもともと正常でも極少量の細菌が存在しており(皮膚常在菌)、一方、皮膚側も正常であればその細菌が異常に増殖しないようにバリアーの働きをしております。
その両者の微妙なバランスが崩れ、上記のように細菌にとってプラスに働く条件がそろうと細菌が増殖し炎症を起こすのです。
けんさんのように足を清潔に保つことは良いことですが、だからと言ってもともと存在する常在菌を100%増殖させないようにすることは、不可能なことかもしれません。
2.細菌感染や炎症が起こる前に舐める行動が先にあるもの:分離不安症やストレス等により「どこかを(この場合手足の裏側)舐める」といった行動が先行し、その結果、炎症や細菌感染が二次的に起こるコース(分離不安症については第17回動物病院だより「核家族化と分離不安症」をご覧下さい)。

以上のことをまとめますと、飼い主さんが一生懸命に清潔に保とうとしても、なかなか治り難いものです。
しかも、ポーちゃん自身はかゆみや痛みを伴っていると思いますので、早めにかかりつけの獣医さんに相談されることをお推め致します。(2003.10.24)