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身体を舐めすぎて出血してしまいます

(アメリカンショートヘア/オス/3歳/アナ)
11月に我家のアナ(あー君)がF.C.Sを患った際、またその後の精神的な部分でアドバイス頂きましたユミです。続き
親切でわかりやすいアドバイスでとても心強かったです。F.C.Sは完全に完治しました。
ところが、また心配な事が…10日程前、お腹(やわらかい箇所)ばかりを舐める為、よく見てみると、抜け毛直径2cmくらいのハゲが出来ていて真ん中のすり傷の様な箇所から少量の出血をしてました。そこをすごく舐めていたんです。
慌てて獣医さんに診てもらったら、人間でいう、すり傷が出来、それを舐めた為だと言う事で舐め防止のクビに巻くカラーと塗る薬を頂戴しました。
その傷はすぐに治り、カラーを外したところ、10分もしないうち右後ろ足のつけねをまた噛む様に舐めはじめ、また出血。
またまたカラーを付け数日。傷が治ったところでカラーを外すとこれもまた、右前足つけねを舐め過ぎてまた、少量の出血。
獣医の先生曰く、皮膚病ではないとの事でしたし、痒い様子ではありません。
ただ、数日間カラーをしている為 毛づくろいが出来なかったので舐めている間に度を越して舐めすぎて出血する…の繰り返しです。現在もカラーを外す事が出来ず、つけたままにしてます。
F.C.S後の処方食は長期間食べ続けたら問題あるという事も知識にあったのですが、獣医の先生が問題ない…との事でしたので、続けてました。これが皮膚に問題を生じる原因だったか?と今、食事を変ようかと思案しております。
身体を舐めるというのは猫の習性ですが、舐めすぎて出血するという事が続き 怖くてカラーを外せません。ストレスも気になります。ずっと付けているのもかわいそうですが、取るとまた舐める過ぎるし…どうしてやったらいいのでしょうか?(ユミさんより)


ユミさんこんにちは。
前回のお問い合わせの件、「あー君はトイレでちゃんオシッコをするようになりましたか?」そうであれば甲斐があったというものです。

今回のお問い合わせは2つですね。
第1は、お腹の軟らかいところや、右後3足のつけねあるいは右前足のつけねを舐めたり咬んだりして、出血をしているとのことですね。
また状況からすると(かかりつけの先生のお話しでも)、あまり皮膚病のようではなく(皮膚病変がないということだと思います)痒そうでもないようだという事ですね。
皮膚病の場合はその部を舐めます(当然です)。もう1つは、猫は緊張を感じたり、イライラしたり等ストレスを感じると、体を舐めるという行動をとる事があります。
前回のお問い合わせの内容も含めて考えると、あー君は繊細というかやや神経質なところがありそうですね。
もしかすると、舐めはじめたきっかけは、何かあー君にとってストレスを感じる事があったのかもしれませんね(これはあくまでも想像です)。
しかし、猫の舌はザラザラしているので、皮膚病ではなくてストレスで舐めはじめたとしても、結果として皮膚に炎症が起きたり、出血してしまうこともあります。そうなるとそれはもう立派な皮膚病(舐性皮膚炎といいます)ですので、治療が必要になると思います。
場合によっては、皮膚の治療だけでなく、精神面の治療(不安の原因がわかればそれを取り除いてあげたり、遊んであげたり、それでもだめなら精神安定剤のようなお薬が必要かもしれません)も考える必要がありそうです。

第2に、F.U.S後の処方食の件ですが、F.U.Sは大変恐ろしい病気で(第19回動物病院だより「F.U.S」を参照して下さい)、短期間のうちに命に関わる状態になったり、一端良くなっても正しい食事療法を続けないと、再発率も高い病気です。
再発を予防するためにも動物病院で処方される処方食の継続が必要となります。
動物病院で処方される処方食には、病気発症後一定期間(約1ヶ月くらい)与えるストルバイト結晶を積極的に溶かす効果の処方食と、その一定期間の後ストルバイト結晶の発生を予防する処方食の2種類があります。
前者の処方食は長期間与え続けることはできませんが、後者の処方食はずっと続けられる処方食です。
また、それらの処方食が皮膚病を起こす事は、本当に稀におこる食餌性アレルギー以外は基本的にはありません。

これらを参考にし、どのようにしたらあー君にとってベストかどうかを、かかりつけの先生ともう一度ご相談なさってはいかがでしょうか。 (2004.05.07)