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血液検査はどのくらいの間隔でしたら良いですか?

(シーズー/メス/14歳/名前・バロン)
心臓が悪い他に特に問題はないのですが、高齢と言う事で、血液検査は何ヶ月に一回程度していたら続き病気の早期発見が出来ますか?
この前は2ヶ月前にしました。
それと、血液検査ではどのような項目が大切でしょうか? しておいた方がいい項目も教えてください。
それと、毛並みなんですが、季節によって変わって来るのでしょうか? 夏は光沢があったんですが最近寒くなってから毛先が尻尾の方は特に毛つやが悪く先が光ってるような状態です。食べ物も同じなのでどうなのか心配しています。宜しくお願いします。(金田さんより)


金田さん、こんにちは。
「14才のシーズーのバロンちゃんの病気の早期発見のためには、どのくらいの間隔で血液検査をしたらいいのでしょうか?」とのご質問ですが、その動物に持病があるのか否かや、その持病の種類、そしてなんといっても獣医側の考え方、あるいは飼い主さん側の考え方、色々なファクターがあるので、一概に何ヶ月に 1回が正解ということはないと思います。
 
私の病院では、特に持病がない場合は、8才〜10才くらいまでは1年に1回、それ以降は1年に2回を目安にして健康チェックをおすすめしております。
実際にはそれより多く健康チェックをしてる方もいらっしゃいますし、それより少ない回数のチェックで良いと希望する飼い主さんもいらっしゃいます。
とは言っても、病気の中には急性の病気もありますので、例え1ヶ月前あるいは1週間前に健康チェックをしたとしても、検査の時点では病気を発見できないこともありますので、きりがないと言えばきりがないのです。

また、病気の早期発見に血液検査は重要な検査であることは間違いありませんが、他にも必要な検査がない訳ではありません(例えば尿検査は腎臓病を代表とする泌尿器系の重要な検査となります)。
健康チェックの回数は今お話し致しましたように、1年に何回するのが正解かは難しいところですが、定期的に健康チェックをするということは、非常に重要な事だと思います。
また、それと同じくらい重要なことは「ちょっとした症状の変化を見逃さないように良く観察する」ということ、さらに「何かおかしいと思ったら自己判断せず、早めにかかりつけの先生に相談する」と言った事だと思います。
 
次に、血液検査の項目に関してですが、項目をあげればきりはありませんし、先生の考え方によって項目が多い場合もありますし、少ない場合もあります。
そのうち最低限必要な項目を挙げてみます。
 
【1】貧血の検査(PCV=Ht)
【2】脱水等の指標となる血漿蛋白濃度(TP)
【3】黄疸の検査(II)
【4】腎臓の検査(BUNやクレアチニン)
【5】肝臓の検査(GPT=ALTやGOT=AST)
【6】血糖値(GLu)
【7】白血球数
【8】血液塗沫(血液1滴をうすく伸ばして染色し直接顕微鏡で観察する事)における白血球の種類の分類・赤血球の形態・血小板の状態の観察などがあげられると思います。
 
先程も申し上げましたように、あくまでも持病のない子に対する最低項目であります。
なので、例えば腎臓の検査項目で異常値が確認された場合は、さらなる腎臓の検査項目が必要となります。
また、今述べた8項目はとても重要な項目ですが、なかにはこの検査でチェックできない病気もあるということを頭に入れておいて下さい。
そして、健康チェックに必要と感じる項目数は、獣医師によって考え方等により違いがありますので、詳しくはかかりつけの先生の説明を受けて下さい。
 
最後に、毛づやに関してですが、バロンちゃんのように高齢になると毛づやが落ちてくることもよくあることです。
ホルモンのバランスが悪くなったり、被毛に必要な栄養が不足したりして(バロンちゃんの場合は同じ物を同じように食べているようなので、可能性は低いとは思いますが)毛づやが落ちてくることもあります。
季節の変化における被毛の変化も考えられますが、以前の冬も同じような変化が起きたのでしょうか? その点も1つのポイントになると思います。(2005.1.26)