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腎機能の低下と診断されました

(ネコ/オス/6歳)
最近、体重が減ってきた(1月6.0キロ→2月5.8キロ)こと、何となく水を飲む量が増えたような気がした続きことから、気になって獣医さんに診ていただきましたが、やはり腎機能の低下と診断されました。
BUN41.8、クレアチニン2.27でした。
また血糖値が低い(43.0)のに、採った血液を見ると高脂血症(分離した上の部分、透明であるはずが軽く濁っている)で、それなのにコレステロール値は 198.0と標準とのこと。インスリンが膵臓の腫瘍などで大量発生しているから血糖値が下がっているのでは、と思われたそうですが、アミラーゼは629でした。
先生も首を傾げていらっしゃいましたが、とりあえず食欲増進剤と腎臓を保護するお薬などをいただいて様子を見ることになりました。療法食などもまだ必要ないそうです。
説明されても確かに矛盾した結果のように思えますし、もう一度大きな病院などで検査してもらったほうがいいのでしょうか。また、今後どのような点に気をつけていけばいいでしょうか。(MOMさんより)


MOMさんこんにちは。
MOMさんの猫ちゃんが、最近少し痩せてきて、お水を飲む量が増えてきたので診察を受けたところ、BUN41.8 クレアチニン2.27だったとの事ですね。

この値はおおむね軽度の腎機能の低下と考えられ、おそらく、慢性腎不全の初期〜中期の間くらいだと考えられます。
治療の目標は、残された腎臓の細胞にいかに負担をかけず、また長い期間、残された腎臓の細胞が働けるようにすることになります。
治療方針は、獣医師により、多少の違いはあるかもしれませんが、現在して頂いている治療方針で、おおむね良いと思われます。
 
次に、血糖値に関してですが、43.0は、やはりかなり低い値と言えます。
血糖値が低下してしまう病気のひとつに、MOMさんのおっしゃる膵臓の腫瘍(インスリノーマと言います)がありますが、他にも血糖値が低くなる病気もあります。
また、インスリノーマは発生頻度の低い、比較的まれな腫瘍です。
したがって、血糖値が低いのが膵臓の腫瘍によるものか否か、さらなる検査をしなくてはいけなくてなってしまいます。
しかしその前に、血糖値を何回か調べてみる必要があるかもしれません。
血糖値は病気以外に食後何時間経過して検査したかによっても値に変化がでてくるからです(それにしても血糖値43.0は、かなり低く感じられますが)。
 
血糖値と高脂血症やコレステロール値は直接的には関連はありませんが、肝臓に問題のあるケースでは関連が出てくる事があります。
 
最後に、膵臓には血糖値を調節するインスリン等を分泌する細胞群と、アミラーゼ等の消化酵素を分泌する細胞群の2種類があります。
インスリン等を分泌する細胞群が腫瘍化して(インスリノーマ)血糖値が下がったとしてもアミラーゼ等を分泌する細胞群に異常がなければ、アミラーゼ値は上がらないことも十分に考えられると思います。(2005.2.22)