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発情と生理の出血は違うのでしょうか?

(イヌ/メス/14歳/名前・ラン)
今、生理みたいで出血があります。この生理の出血が終わって何ヶ月間は子宮蓄膿症など子宮の病気に続き気をつけたらいいですか?
毎年、一回しか出血は見たことがないんですが二回くらい犬はあると聞いたことがあります。
発情と生理の出血は違うのですか? それぞれ、その何ヶ月間気をつけたらいいでしょうか? お願いします。(前田さんより)


前田さん、こんにちは。
子宮蓄膿症は、一般的に中年以降の避妊手術をしていない犬に発生しやすい病気で、日頃の診療の中でも比較的よく遭遇する病気です。
放っておくと、急激に元気がなくなり致死的な経過をたどるため、早期に発見し、手術することが必要となります。
一般的に、子宮蓄膿症は発情が終わって1〜2ヶ月くらいで発生することが多いので、発情終了後およそ2ヶ月くらいが、特に注意すべき期間となります。子宮蓄膿症に関しては第16回動物病院だよりを参照してください。

「発情と、生理の出血は違うのですか?」のご質問に関してですが、犬の場合、発情期間に出血します。
我々獣医師は、一般の方々にわかりやすいように、発情のことを生理と説明することもあるかと思いますが、正式には発情です。発情の時に出血するのです。
犬の発情の出血と、ヒトの生理時の出血は繁殖生理学的にみて(またホルモン状態も)全く違うものです。したがって、犬の場合、発情と、一般の方々が言っている犬の生理は全く同じものです。
 
最後に、ランちゃんは毎年1回しか出血しないとのことですが、一般的に犬では多くの場合、春と秋に各1回ずつ発情が来て出血したり、陰部が腫大するものです。
しかし、時々ランちゃんのように1年に1回しか発情が来ないという犬がいます。特に高齢になってくると、発情周期にバラツキが出てくることが時々あります。
そのような現象が子宮蓄膿症になりやすい徴候か否かは、難しいところです。(2005.3.7)