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子宮蓄膿症の術後に気をつけることを教えてください

(ポメラニアン/メス/14歳/名前・エリ)
先週、子宮蓄膿症の手術をしました。
卵巣、子宮摘出です。続き
高齢なんですが、今後、何か気をつけることがあれば教えてください。(ののさんより)


ののさん、こんにちは。
14才のポメラニアンのエリちゃんが、先週、子宮蓄膿症の手術を受けたのですね。

現時点で、術後の経過に関してコメントがないので、おそらく、順調な術後経過だと思います。
このペット相談室にあるご相談を見て頂いても、中年以降の犬の場合、子宮蓄膿症のご相談は結構多く、実際の私の病院でも、子宮蓄膿症の手術は手術の中でも比較的多い手術です。
子宮蓄膿症の発見が遅れると、併発症として腎不全や貧血、あるいは腹膜炎を併発してしまうこともあり、術中・術後の経過に気をつかうこともありますが、このような併発する問題がなければ、一般的に術後の回復は順調であります。
エリちゃんは14才という高齢でありながら、頑張って手術を乗り切ってくれたようです。本当によかったですね。
子宮蓄膿症という病気が性格上、中年以降、時にエリちゃんのように高齢になって発生することもよくあることですので、実際の動物病院の現場では、それ程めずらしい事ではありません(獣医師側の立場からすると、日頃の手術以上に気をつかう手術となるわけですが…)。
 
今後、気をつけることに関してですが、しいて言えば、術後の注意点として、腹膜炎等の感染の問題くらいだと思います。
この件に関して、もし問題が起こるとすると、術後5〜7日以内だと思います。この期間は特に注意(観察)が必要で、何かあれば、すぐにかかりつけの先生にご相談下さい。
あと、もう一点重要な事として、もし退院時に内服薬の処方があった場合には、指示通り必ずお薬を飲ませて下さい。
以上が最も大切な注意点だと思います。

あとは、エリちゃんの体力の回復を見守って(よく観察して)あげて下さい。
抜糸が終わるころには、一般の14才の高齢犬に対する対応の仕方で全く問題なくなると思います。(2005.3.22)