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リンパ腫の治療方法について教えてください

(フェレット/オス/1歳4ヶ月/名前・モカ)
2週間前から後足の力が入らなく、元気がなくて病院にいったところ、脾臓が大きく、昨日、病理検査の続き結果『リンパ腫』と診断でした。
元気な時の体重は1055gだったのが、1日10gずつ減って928gになってしまったのですが、ミルクをよく飲み、体重も昨日の時点で1000gまで戻りました。
下痢も咳も無く、私の考えでは脾臓以外はまだまわりきってないと考え、まだ元気でいてくれている内に脾臓を全摘出して、少しでも薬と戦う力を強くしたいのですが、旦那の考えは薬のみで緩解を目標に考えてます。
モカの場合、脾臓からきていると思うのですが、咳の症状は胸腔内に、下痢は腸に回った時点で出てくる症状なのでしょうか? それとも発生した場所にできる症状で脾臓に出来た場合は出ないのでしょうか? 手術して脾臓を摘出するという私の考えは、モカにとって負担、苦になるので避けた方がいいのでしょうか?(MMさんより)


MMさん、こんにちは。
フェレット雄、1才4ヶ月のモカちゃんの脾臓が大きく、病理検査の結果「リンパ腫」と診断されたのですね。

フェレットの場合、リンパ腫は比較的多く発生する腫瘍で、リンパ節あるいはリンパ組織を構成するリンパ球の腫瘍です。
全身の様々な所にあるリンパ節やその他の脾臓・肝臓・腸などのリンパ組織が腫れてくる症状があります。

例えば、肺のリンパ節の腫大が起こると、咳や呼吸困難を起こすことがあり、腸間膜リンパ節や腸のリンパ組織が腫大すると、下痢や嘔吐を起こすことがあります。
しかし、これらの症状が出ていなくても、初期のうちには全く症状を現しません。
モカちゃんの場合が脾臓原発かどうか断定はできませんが、もし脾臓が原発だったとしても、他のリンパ節やリンパ組織に転移があるか、あるいは無いかを確実に調べることは、ほとんど難しいと思います(ある程度大きくなってからなら、獣医師が触診したり、あるいはレントゲン検査やエコー検査でわかるかもしれませんが)。
また、逆に咳や下痢は、他の病気でも起こり得ますので、短絡的に症状が出たからリンパ腫が転移したと決めつけるわけにもいきません。

フェレットの場合、リンパ腫の原発が脾臓である確率は、私自身データを持ち合わせておりません。
もし、脾臓が原発であれば、脾臓を摘出する意味は多少あるかもしれませんが(脾臓が大きくなると、胃や腸を圧迫して食欲が落ちたり、貧血が起きたりすることもあるので)、現在のモカちゃんの体力等、手術に対するリスクも良く考えなくてはいけません。
また、先程お話しいたしましたように、もしも、脾臓以外のリンパ節等にすでに発見できないような小さな移転が起こり始めている場合では、脾臓だけ摘出しても、意味が少なくなってしまいます。

リンパ腫の場合、抗ガン剤等のお薬による治療が主体となってくるケースが多いと思います。
これら手術のリスクや治療方針に関して、実際に診察してくださっている獣医師に、今一度、ご相談してみてください。(2005.3.26)