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急に鼻の色が青から茶色に変色しました

(セキセイインコ/オス/2歳/名前・あお)
はじめまして。もうすぐ2歳になるオスのセキセイインコのことでご相談させて下さい。続き
生後半年ほどから発情過多気味だったので、先日発情相手になるものすべてをカゴから撤去したところ、発情が止まったと同時に急に鼻の色が青から茶色に変色しました。
病院へ連れて行ったのですが、先生に精巣腫瘍の可能性が大きいといわれました。突然のことで、その日は何をどう質問したらいいのか混乱してしまいました。
それでお聞きしたいのは、セキセイのような小動物の精巣腫瘍を手術で切除するのは可能なのでしょうか?
今はお腹も目立ちませんし、レントゲンやらエコーなどで検査したわけではないのではっきりとはわからない状態です。でも、もし腫瘍があって、しかも悪性で転移してしまったら…と思うと元気な今のうちに手術した方がいいのか、それ以前に精巣そのものをとって、生命の危険はないのだろうか…と心配なのです。
今、本当に病気とは思えないくらい元気なので、かえって体を傷つけて生命を縮めることになりはしないかといろいろ気にかかっています。
服薬で進行を遅らせる方法もあるようですが、どちらを選択したらいいのか悩んでいます。
御忙しいところ申しわけありませんが、どうかアドバイスをよろしくお願い致します。(ふうさんより)


ふうさん、こんにちは。
2才の雄のセキセイインコのあおちゃんの鼻(ろう膜)の色が、急に青から茶色に変色したとのことですね。
 
雄のセキセイインコのろう膜の色が青から茶色に変色するのは、雌性化と呼び、精巣腫瘍の時にも起こるひとつの症状でもあります。
精巣腫瘍の発生は、一般に5才から6才以後に起こることが多いと言われています。
その点、あおちゃんはまだ2才なので、腫瘍が発生しやすい年齢ではないと言えます。言い換えると、2才という年齢は、絶対に腫瘍が発生しないというわけではないものの、腫瘍が発生する確率は、5才から6才以上のセキセイインコに比べて、かなり低いということです。
精巣腫瘍の早期診断は、かなり難しいと思われます。
末期になると、食欲や元気の低下、お腹がふくれてきたり、腹水が貯まったり、足がうまく使えなくなったりと、色々な症状を示すようになります。また、レントゲン検査でも、腫瘍が腸を圧迫し、腸の位置が変化していることがわかることもあります。
 
セキセイインコの精巣は、お腹の中にあり、左右の腎臓の前に各ひとつずつあります。
要するに、お腹の中の、背中にくっついており、腎臓とも接近しているので、開腹手術は、小鳥の開腹手術の経験豊富な獣医師でも、可能か否かわかりません。直接、問い合わせる必要があります(私は、セキセイインコの精巣腫瘍の手術経験は全くありません)。
いずれにせよ、手術ができる先生がいたとしても、かなり難しく、危険を伴う手術だと思います。
 
最後に、あおちゃんの場合、発情相手になるものを全てなくし、発情が止まったと同時にろう膜の色が変化したようなので、精巣腫瘍以外のホルモンバランスの変化も考えられると思います。
ただ、発情が止まっても、雌性化までのホルモン状態になるかは少々難しい問題だと思いますし、私自身、少々わかりかねます。

最初にお話し致しましたように、まだ2才と若く、腫瘍の発生する確率の低い年齢であることを含め、総合的に考えますと、精巣腫瘍の可能性と、それ以外の可能性と、充分に精査する必要があると思います。
早期に発見することが難しい病気なので、充分精査することはかなり困難かもしれません。
ひとつの方法として考えられるのは、もう一度発情相手になるものを入れて発情させ、ろう膜が再び青く変化するようでしたら、精巣腫瘍の可能性はグンと減ると思われます。
また、そのようにしても茶色のままだったとしても、精巣腫瘍の可能性を今以上に高めるとは言えないと思います。 (2005.3.30)