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シコリがあり手術について悩んでいます

(ネコ/メス/11〜13歳/名前・トラコ)
昨年の4月7日にトラコの乳腺腫瘍かどうかについて質問させて頂いたものです。1週間程前から続き問題の一番左の乳房全体が、以前よりも赤く腫れてちょっと盛り上がった感じとなりこれは何か変だと思い、獣医さんの所へ行きました。
なにぶん野良猫出身の為警戒心が強く、案の定病院で暴れてしまい診察が思うようにできなかったのですが、触った感じは「シコリ」のようにかたくなってはいないが「水」が貯まっている感じがする。「典型的な乳腺腫瘍とは言えないが過去に一度同じような症例を経験したが、3年ほどステロイド、抗生物質で落ち着いてみえたが一気に転移し亡くなった例があり、水の中に触れられないシコリがある可能もある」といわれました。
ただ今日になって注意深く乳房の横のあたりを触ると米粒大程のシコリを発見し獣医の先生に電話したところ「やはりそうですか、はっきりは言えないがおそらく腫瘍でしょう」との事でした。
マスダ先生も去年のご返事で「ただし軟い他の腫瘍の可能性や、特殊な乳腺腫瘍ではあまり硬く感じられないこともあります」と指摘をされておられましたが、どのような種類の腫瘍なのでしょうか?
私が一番心配してるのは「炎症性乳癌」です。
まだ一度しか受診していないのですが獣医さんは「水」を抜いて調べたいとのことですが、本当に大丈夫なのか凄く不安です。
もし普通の乳腺腫瘍であったとしても、異変に気付いてから1年以上経過してることもあり、手術のリスク、再発のリスクを考えると一体どうしたら良いのか、飼い主の自分の選択が彼女の命を決めるのかと思うと胸が痛くなります。
手術してもしなくても余命に大きな差はないとの獣医さんの見解もネット上では見られます。
ただ一番お聞きしたいのは、マスダ先生のご経験から手術を選択した場合としない場合で、完治は無理としてその後のQOLにどの程度の差がでるものなのでしょうか? どうか宜しくお願い致します。(シンさんより)


シンさん、お久しぶりです。
およそ1年前に、乳頭付近に軟らかいしこりができた旨のご質問を頂きましたね。当時よりだいぶ腫れてきた様子ですね。

診察もトラコちゃんが暴れたりして大変だったようですが、診察して下さっている先生のお話からは「水」がたまっている可能性があるということで、一部米粒大程のしこりもあるのですね。
メインは、その「水」と思われるしこり(ふくらみ)で硬いしこりはその米粒大のものだけかも知れませんし、その「水」と思われるしこり(ふくらみ)の奥に他にもしこりがあるかもしれません。
診察して下さっている先生のおっしゃるように、一度「水」と思われるものを抜いてみることは、原因を追求するうえで重要な1つの方法と考えられます。おとなしい子であれば、鎮静等なしで行えますが、性格により鎮静等の処置も必要になるかもしれません。
針を刺して「水」と思われる内容物を抜くこと自体は、この部位であればほとんど危険なく行えます。
 
抜いてみるメリットとして、
【1】内容物が「水」等の液体なのか「脂肪」のような軟い組織なのか
【2】液体であれば更にその液体を調べることにより腫瘍細胞を含んでいるのか、あるいは腫瘍細胞は含んでおらず単に炎症だけなのか等の情報を得ることができるかもしれません。
【3】もし「水」等の液体であれば、それを抜くことによりその奥に何かしこりのようなものがあるか否か、触ったりすることもできますし、もししこりがあればそのしこりの細胞を調べることも可能です。
 
シンさんは腫瘍の可能性が高いと考えていらっしゃるようですが、乳房に液体が貯まる原因として、腫瘍の場合も腫瘍でない場合もいずれも考えられます。
手術を含め治療法を考える時に、あるいはトラコちゃんのその後のQOLを考えるとしても、腫瘍なのか腫瘍でないかはとても重要なポイントになると思います。
そういった点からも、一度「水」を抜いてみることはとてもメリットのある検査だと思います。
シンさんの一番知りたいことは、今回のシンさんの文章に書かれており、それにお答えはしたいのですが、その前に必要なことがあると思いましたので、今回お話しさせて頂きました。(2005.4.25)