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猫のフィラリア症について教えてください

(シャム系雑種/メス/8歳/名前・なんなん)
猫のフィラリア症について教えてください。4月に『猫のフィラリア予防』についてアドバイスをいただいた後、続きフィラリア予防のお薬を購入したのですが、動物病院でもらった投与スケジュールが4月30日スタートだったので、まだ投与を開始していなかったのです。そしたら、4月28日頃、猫のまわりを蚊がプ〜ン!  4月でもうすでに蚊は発生していたのですね。失敗した!!(予防薬早く飲ませとければ良かった)予防薬スタートする前にすでに蚊に刺されているかも?万が一、フィラリアの蚊だったらどうしよう?と、今心配で頭がいっぱいです。『すでに感染している猫に薬を投与する場合は慎重に』とただし書きがあるので、心配なので今のところお薬をまだ投与していません。また、お薬を処方していただいた動物病院では、処方前の検査はありませんでした。検査なしに投与してもかまわないのでしょうか?
ネット等で検索して調べていると、『犬と違い猫のフィラリアの検査は困難』と書かれているのもみつけました。実際はどうなのでしょうか?
お薬の制限事項には、『投与前には検査をすること』とは書かれているのですが・・・検査できるのでしょうか?
『猫のフェラリア症』自体、情報が少なくてよくわからないことがだらけです。お薬のパンフレットの説明には、『わずか2匹のフィラリアが寄生するだけで、突然死が起こることもある』と書かれているのですが、わずか2匹のフィラリアが寄生する』とは蚊に刺されて時間的にどのくらいの期間なのでしょうか? 数週間? 数カ月? 数年?
あるホームページでは、『フィラリアに感染した猫の命は感染から5〜6年』と書かれてあるのもありました。
『治療方法はない』ということらしいので、かからないように守ってあげたいと思い、病気自体のことをよく知っておきたいのですが、本にもネットにも、もよりの動物病院でも詳しい知識を得ることができません。マスダ先生教えてください。
実際、猫でフィラリア症にかかるのは、ごくまれなことなのか、それとも、実際はもっと多いが突然死等で動物病院にもかかることもなく解剖もされることもなくなくなっているため報告例がないままでカウントされていないのかもとても気になるところです。
おわかりになることをいろいろ教えてくださればありがたいです。よろしくお願い致します。(あめまさんより)


あめまさん、こんにちは。
今回は猫のフィラリア症に関して、沢山の質問が書かれていますね。どれも良いご質問ですし、あめまさんのおっしゃるように、猫のフィラリア症には、なかなか難しい問題も実際に存在致します。
 
まず第一に、蚊に刺されてフィラリアが心臓に到達するまでに、およそ3ヶ月かかると言われています。その3ヶ月のうち、感染してから1ヶ月目くらいたったフィラリアに予防薬は効果があるのです。
言い換えると、蚊が発生して1ヶ月以内に予防薬をスタートすれば大丈夫ということです。したがって、4月30日スタートで全然OKですし、4月28日が本当に今年初めての蚊だとすれば、5月28日までにスタートすればおおむねOKです。
 
次に、「すでにフィラリアに感染している猫を検査で見つけることはできますか?」とのご質問ですが、私の個人的な考え方としては、あめまさんがネットで検索したように、犬と違って猫のフィラリアの検査は、なかなか難しい点があると思います。
フィラリアの検査には、ミクロフィラリア検査や、フィラリア抗原検査・エコー検査・レントゲン検査等、色々ありますが、いずれも長所・短所があり、総合的に検討されますが、いずれの検査も感染しているフィラリアの数がある程度多くないと、検査にひっかかりにくいのです。したがって、猫の場合はフィラリアがたくさん(犬と同じくらい)感染する前に猫の方に問題が起こってしまうケースが多いと考えられます。
言い換えると、検査をしたとしても、全てが検査で感染の有無が明らかになるとは言えず、むしろ、感染していても検査にひっかからないケースの方が多いのかもしれません。
この点に関しても、あめまさんの文章の最後の方で「実際猫でフィラリア症にかかるのはごくまれなことなのか、それとも…」とありますが、現在のところ、私の知る限りの中で、様々な原因で死亡した猫をすべて検死して、その内実際何%がフィラリアで死亡していたのかを調べた研究は見当たりませんし、これからもなかなか研究されないのではないかと思います。言い換えるとそれだけ難しい研究になると思います。大学病院や製薬会社が力を合わせないとできない研究だと思います。
 
最後に、フィラリアは蚊が媒介する寄生虫なので、地域性も1つのファクターになりますが、私の毎日の診察の中での印象としては、やはり猫のフィラリア症というのはごくまれなケースだと思います。
これ以外にもまだお答えしていないご質問もあるかもしれませんが(フィラリアに感染した猫の寿命は?等)色々なケースも考えられますし、まだはっきり分かっていない部分もあるので、十分なお答えができないと思います。申し訳ございません。(2005.5.11)