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先天性腎臓低形成について教えてください

(パピヨン/オス/1)
我が家のワンコの健康診断を兼ねて血液検査をしてもらいました。体重が2.25kgの♂パピヨン(トライ)です。続き
結果はBUNが異常に高いという事でした。
腎不全の項目です。
検査表から分かる数値を記載しますのでご覧いただけませんでしょうか?
GLU     114
BUN     121
CRE     2.8
TBIL    0.5
CA      10.9
IP      2.4
GPT/ALT 55
ALP     111
NA  135
K   3.2
CI  107
TCHO 187
尿比重 1009
造影剤を入れてエコー&レントゲンをしました。やはりちゃんと創られていない状態で、腎臓で本来されるべき濃縮がされず、ダイレクトに膀胱へ行っている状態だそうです。
エコーを診るのが上手いという先生に説明を受けた所、その先生は以前、超大型犬で同じような低形成の子を診たそうですが、その子は6歳頃まで具合も悪くならず入院もしなかったそうです。なので超大型犬と小型犬では寿命も違うので、上手にコントロールすればもっと長く元気でいられるかも・・と言われました。
血液検査数値が信じられないと言われ、本来この数値なら「明日亡くなってもおかしくない」状態だそうです。
だけどとっても元気で先住犬と追いかけっこしたり、ご飯も秒殺で完食、おしっこもちゃんと出るしお散歩はルンルンなんです。
このコはやはり生まれたときからこの状態で生活しているから、この数値が普通になっているのでしょうとも言われました。
今後はいかに負担を除いてこの機能を維持していくかなので、サプリ(ネフガード)と療法食(ウォルサム腎臓サポート)は欠かせないそうですが、1ヶ月に1 回ほどのサイクルで血液検査をしてみて、あまり数値がかわらないなら3ヶ月に1回、更に変わらないようなら6ヶ月に一回と伸ばしていってみましょうとの事。
ひょっとしたら数値がこのまま変わらないかもしれないし、それはむしろ良い事でこれ以上の進行を抑えることが重要だそうです。
幸いな事に他の数値で問題になるようなことがないので、むしろ早くて良かったといわれましたが、少し貧血気味なので貧血に良いサプリをあげたり、レバーをあげたりはいいかも知れないそうです。
とにかくお水をたくさん飲んでおしっこをいっぱいする事、今はこれが一番大事でそれが出来なくなると次の治療段階となるそうです。
先生、他所の病院でも数値が信じられないと言われます。低形成は少ないとも聞きますし本当に腎臓低形成なのでしょうか? 検査数値と目の前の子のあまりのギャップに、なんだか信じられない気持ちなんです。こんな事って本当にあるのでしょうか?(tomokoさんより)


tomokoさん、こんにちは。
1歳のパピヨンのワンちゃんが、健康診断のつもりで血液検査をしたら、腎不全があることが判明し、その後の詳しい検査で、先天性腎臓低形成と診断されたとのことですね。

先天性腎臓低形成は発生率の少ない病気で、先天性腎臓異形成とも呼ばれる病気です。遺伝的な発生の可能性のある犬種も教科書的にはあげられていますが、その中には、パピヨンは存在していません。

いずれにせよ、先天性(生まれつき)に腎臓の細胞レベルでの構造上の問題が生じ、更に腎臓の機能にも問題が起こってくる病気です。
tomokoさんから頂いた情報では、血液検査、尿検査、更に詳しい検査として造影剤を入れてのレントゲン検査やエコー検査等、順序立って、理論的な検査の進め方をしてくださっているので、私から特別に追加してお話しさせて頂くこともないと思いますし、的確に診断してくださっていると思います。

経過は、その子その子で違うことが考えられますので、これから先のことに関して、予想することは難しいと思います。
現在の療法食を含めた治療(なるべく腎臓の負担を減らしてあげる治療)と、診察してくださっている先生のおっしゃるように、定期的なチェックをしていき、状況や変化を確認していきながら、経過を観察していくことが、一番良いのではないかと思います。(2005.5.31)