記事一覧

他の犬に近寄ろうとしません

マスダ先生、はじめまして。
信長(シーズー・7ヶ月)のお留守番に困っていたところ、先生の豆知識をみて、分離不安症である事がわかり、続き母と2人、甘やかしすぎを反省している今日この頃です。
今日は信長のことではなく、兄夫婦が飼っているマリン(シーズー・3歳)についてご相談させてください。
マリンは、ほとんど他の犬と接することなく育ってしまい、自分を犬と思っていないようです。他の犬に遭うと怖がり、目を合わせるどころか、見ようともしません。
我家に遊びに来ても、信長のいるリビングには決して近寄りません。無理につれて来ると、涙を浮かべながら震え、必死で逃げ出そうとします。
信長はマリンに限らず、犬が大好きで、マリンとも遊びたがっているのですが・・・。
3歳を過ぎたマリンを変える事はもう無理でしょうか?
私たち家族は信長とマリンの赤ちゃんをとっても楽しみにしているのですが。どうかよろしくご指導ください。(kaoriさんより)


はじめましてkaoriさん。
私の「動物病院だよりの豆知識」がお役にたったようで本当にうれしく思います。kaoriさんからのこういったメッセージを頂くと、本当に頑張って「動物病院だより」を書いていてよかったなと思います。また、これからの私のエネルギーにもなります。ありがとうございます。

さて、本題にうつります。kaoriさんのお兄さん夫婦が飼われている3才のシーズ−「マリンちゃん」が犬同志の関係がうまくいかず、犬を見るとびくびくしているとのご相談ですね。

まず第一に第3回の動物病院だより「仔犬・仔猫の心理学」に書いたように、社会化(ヒトとの社会化も犬同志の社会化も同じ頃です)すべき時期(生後2ケ月〜3ケ月頃)におそらく他の犬と接していなかったか、逆に接したけれども、大変こわい思いをしてトラウマになってしまったか、どちらかの可能性が強いかもしれません。また、性格的にも「何に対しても、ビクビクしている」性格かもしれませんね。
3才になった今、なおすのは不可能ではないと思いますが、根気はいると思います。

キーワードは「徐々に!」です。
まず第一のポイントは、kaoriさんの信長ちゃんと顔を会わせるのは、マリンちゃんが一番安心できるマリンちゃんの家(ホーム)が良いでしょう。
次に第ニのポイントとしては、信長ちゃんのペースでマリンちゃんに会わせるとマリンちゃんが驚いてしまいそうなので、まずはマリンちゃんが安心できるスペース(信長ちゃんから逃げたければ逃げられる)を確保してあげることです。できればお互いに慣れるまで、お互いが見える程度の柵ごしにお互いの臭いをかがせたりすることから始めてみたら良いと思います。
第三のポイントとしては、先程のキーワードの「徐々に!」と同じ位大切な事ですが、「長い時間(または期間)」いっしょに顔をあわせることです。「遠い親戚よりも近くの他人」の言葉のように、長く顔をあわせる事はお互いに慣れていく事の重要なポイントになるはずです。

以上の3点に注意して徐々に慣らしていってあげたらどうでしょうか? (2003.1.10)