第5回
【知って得する動物の病気の豆知識】
「外耳炎・中耳炎」
今月は動物の病気のお話を致します。
外耳炎・中耳炎は犬・猫をはじめウサギやハムスターに至るまで全ての動物で一番多い病気です。信頼できるあるデーターによると、アメリカの動物病院でも日本の動物病院でも、動物が何か病気になって(健康検査やワクチンは除く)動物病院に受診するうちのなんと約40%が外耳炎や中耳炎だという報告があります。言い換えると全ての病気のうち約4割が耳の病気だということになります。そして外耳炎は放っておくと慢性化したり中耳炎を伴発して更に治りにくくなってしまいます。したがって早期に発見することが最重要となります。
早期発見するポイントは以下の症状に早く気付いてあげることです。

 

 

- 症状 -
  1. 耳をかゆがる:頭を振ったり、足で耳の後ろを掻いたりします。(動物は「かゆい」とは言えませんが、こうしてかゆい事を表現しています。) 
  2. 耳が臭う: 耳の臭いをかいでみて下さい。何か変な臭いがしませんか。
  3. 耳垢が出る: 健康な耳はほとんど耳垢が出ません。従って家庭で耳そうじをする必要はありません。耳そうじが必要な耳はすでに外耳炎の状態なので家庭で耳そうじをしてもまた汚れてきますし、そうしてるうちに慢性化して治りにくくなってしまいます。
    (注)耳垢が出る場合は、ご家庭で耳そうじせずに早目にご相談下さい。
  4. 炎症が起こる:ここまでくると「かゆい」を通り越して「痛い」になってしまいます。耳の穴付近が赤くなったり、フケが出たり、膿んでグジュグジュにただれてしまうこともあります。
以上の症状の一つでもあれば外耳炎の可能性が高いので早目に動物病院に連れて行ってあげて下さい。

 

 

- 原因 -
治療でまず第一に重要な事は初期のうちに治療するということです。
早期に治療すればそれだけ治るのも早いです。慢性化したり、中耳炎や内耳炎を伴発すると完治するまでに日数もかかってしまいます。
次に重要な事は原因を調べてから治療を始めることです。原因により治療法や治療に使用する薬が違います。
『原因を調べずしてちゃんとした治療はあり得ません。』

 

今月は一番多い病気である「耳の病気」についてお話を致しました。
「かゆいということは痛い以上に辛い事だ」と言われています。ものを言えぬ動物の場合、飼い主さんが気付いてあげることが重要なのです。

 

動物達が私達にやすらぎを与えてくれているお返しとして動物達が苦痛なく健康でいられる様気づかってあげる事は飼い主さんの務めとも言えるでしょう。そのためには、飼い主さんが少しでも病気の事を知っている事が重要だと思います。
この「動物病院だより」が少しでも皆さんのお役に立てばと考えています。他にもこんな事を知りたいという事があればお気軽にお電話でご相談下さい。(ご相談内容は、この動物病院だよりの題材とさせて頂くこともあると思います)

 

次回も知って得する動物の病気の豆知識をお知らせ致します。
Illust:LES5CINQ(Copyright 2002-2005 All rights reserved.)
※この『動物病院だより』は2002年から2005年まで『ペット情報サイトプチアミ』内で連載していたものです

 

 

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