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高齢食と療法食を混ぜて食べさせたいのですが

(ネコ/オス/8歳/名前・ふう)
療法食がいやなのか、食欲不振が募ったのか、食べなくなりました。食欲のない時、高齢食のレトルトや続き缶詰に療法食を混ぜてあげてはいけませんか?
12月に、BUN173、クレアチニン5.7で入院し、8日後、BUN111、クレアチニン4.1で退院しました。
二週間後の検査は、療法食の缶詰を食べてくれなかったので、コルバジンの服用ができず、数値は改善しませんでした。
BUN113、クレアチニン4.5。コルバシンを2包に増やし、リン軽減剤1 包頂きましたが、ゼリーでやっと飲ませてはいますが、食べてくれないので、体調が心配です。
高齢食と療法食を混ぜて食べさせたいのですが、どうでしょうか。(みのさんより)


みのさん、こんにちは。
猫のふう君の腎臓が悪く(当初BUN173、クレアチニン5.7)、腎臓病の療法食をなかなか食べてくれないので、BUNやクレアチニンといった腎臓に関する値があまり下がってくれない、ということですね。
 
慢性腎不全に関しては、第26回動物病院だより及び、以前に藤井さんからお問い合わせがありましたので(04年11月22日返答済)、その私の解答を、まずは一般論として、参考にしてみてください。
 
慢性腎不全の治療は、根治を目的でなく、QOL(クオリティーオブライフ:良い状態で生活できるようにしてあげること)の向上、維持に向けられます。
そのために、治療は、
【1】点滴や皮下輸液
【2】療法食による食事療法
【3】現在ふう君に与えているお薬に代表されるお薬
【4】その他
が考えられます。
 
療法食(処方食)に関してですが、腎臓病用の療法食は、腎臓の負担をなるべく少なくするために、タンパク質を少なめに(制限)して、又、ミネラル等も、腎臓の機能が低下した動物のために、調整してあります。
したがって、一番良いのは、やはり療法食だけ食べてくれることです。
しかし、実際は腎臓が悪くBUNも高い動物の場合、あまり食欲もないケースも多く、療法食はもちろん、日頃の一般食さえあまり口にしてくれないことも多々あります。

もし、療法食であれ、一般食であれ、全くあるいはあまり食べない状態でいると、自分の筋肉をタンパク源として分解(異化)し、エネルギーをなんとか作ろうという状態になってしまいます。これは、腎臓にとって一番良くない「高タンパク食を食べていること」と同じになってしまいます。
 
ふう君のように、どうしても療法食だけでは食べない場合は、何か好物(できるだけタンパク質の含有率が低い物が良いです。その点では、高齢食は比較的低タンパク質になっていると思いますので、まあ良いのではないかなと思います)を、混ぜても良いと思います。
徐々に療法食に慣れてくれば、少しずつ、療法食の割合いを増やしていってください。(2005.1.19)