記事一覧

腎不全と診断されました

(ネコ/オス/13歳)
最近、水を大量に飲むようになり、食欲はあるようなのですが、以前よりも偏食がみられ痩せてきたので、続き健康診断に連れて行ったところ、腎不全だと言われました。
治療食を出してもらったのですが、まったく口にしません。
先生は治療食を食べないのであれば、今までの食事や魚・肉などのボイルを与えてもいいと言いました。
偏食するので魚や海老・ホタテ・鶏肉などしか食べてくれません。
今までの食事だと腎臓に負担になると思うので、とても心配です。どんなに手間がかかってもかまわないので、手作りの食事を与えられる良いメニューはないでしょうか?
また、腎臓の数値が高いのに腎臓が大きいと言われ、腫瘍かもしれないとも言われました。2ヶ月に1度ぐらいの定期検査を進められたんですが、もう何がなんだかわからず、どうしたらいいのでしょうか?
腎臓の腫瘍は、白血病ウィルスの感染が原因だと聞きましたが、白血病ウィルスのワクチンこそ打ってはいないものの、他の猫との接触はありません。他に6匹の猫と一緒に飼ってはいますが、毎年ワクチンは打っていますし。(キャンディさんより)


キャンディさんこんにちは。
キャンディさんの文章から、先生からの病気の告知に、キャンディーさんがだいぶパニックになっているようだと察します。
まずは、飼い主さんが冷静に今の現状を受け入れ、どんな病気なのかを理解し、また、どうしたら猫ちゃんの為に一番良いのか、かかりつけの先生とよく相談していくことが一番大切だと思います。
 
キャンディさんの文章から、良くわからない点がいくつかあります。
 
【1】「腎臓の腫瘍は白血病ウィルスの感染が原因だと聞きましたが」とありましたが、誰から聞いたのですか? かかりつけの獣医さんでしょうか、お知り合い等、一般の人からでしょうか?
 
【2】白血病ウィルスの検査は、現在、血液検査で簡単にできるのですが、その血液検査をした上で、白血病ウィルスに感染している(陽性)と診断されたのでしょうか?
 
【3】毎年打ってあるワクチンには、白血病ウィルスの予防は入っていないように文章から受け取られるのですが、白血病ウィルスの予防が入っていないワクチンでは、当然のことながら、白血病ウィルスの感染の予防はできませんが、キャンディさん自身、それを理解できているのでしょうか?
 
【4】白血病ウィルスの予防のワクチンを射っていなくても、白血病ウィルスに感染している猫と直接接触しなければ感染しません。したがって(キャンディさんが飼い始める前に感染していれば別の話ですが)飼い始めてから他の猫と接触がなければ、感染しません。ただし今、キャンディさんが飼っている他の6匹の中に白血病ウィルスに感染している猫がいれば、感染する機会はあるわけです。他の6匹の中に、白血病に感染している猫はいないのでしょうか?
 
以上の4点を明らかにして頂けたらと思います。
 
さて、次に食事に関するご質問ですが、13才の猫で偏食傾向にあるケースでは、なかなか治療食を受け付けてくれません。
また、腎不全の程度(血液検査でのBUNやクレアチニン等の値)が重ければ、さらに食欲は減少していきます。
どうしても治療食を食べてくれない場合、診察して下さってる先生のおっしゃるように、食べない状態で何日もいるよりは、食べるものを与えた方が良いのです(先日のみのさんに対する回答も参考にしてください)。
しかし、できれば少しずつでも治療食を混ぜて、治療食も少しは食べるようにしていければと思います(猫の性格によっては難しいこともありますが、治療食をお湯でふやかし、ペースト状にしてほんの少量から始めると、だまされて食べてくれることもあります)。

手作りの食事の場合、腎臓の病気を持った猫の全ての栄養を完全に満たす食事を作るということは至難の技で、私にもできません。
ただ、おおざっぱに言って、カロリー源としてタンパク質はなるべく制限し、猫にとって必要最低限の良質なタンパク質のみとし、炭水化物や脂質(脂肪)を、その分のカロリー源として増量することです。ただし、カロリー以外に、ミネラルや電解質のバランス等、こまかい事を言うとキリがありません。
言いかえると、現在の好物に、炭水化物や脂質を加えることを考えてみたらどうでしょうか?
 
最後に、腎臓が腫瘍かもしれないとありましたが、腎臓が大きいだけで腫瘍と断言することは難しいと思います。腫瘍以外にも、腎臓が大きくなる腎臓の病気もあるからです。
腎臓の腫瘍か否かを診断するのは難しいケースもありますが、その点が明らかになれば、キャンディさんの「もう何がなんだかわからずどうしよう」という不安も、少しは整理がつきやすくなるのではないでしょうか。(2005.1.21)