きーちゃん

 

ある日突然保健所の冷たいお部屋から、白く大きな犬を一頭、院長が連れて帰って来ました。
92年にやって来たその時はもう既に身体も大きく、おそらく1歳半くらいになっていたのではないかと思われました。
そしてその日からきーちゃんは、マスダ動物病院の大切な仲間となりました。

 

シベリアンハスキーと紀州犬のMIXのきーちゃんは、いつも元気な女の子(ホントはもう結構なおばあちゃん)。 人のことが大好きなきーちゃんだから、みんなの近くにいさせてあげたいな〜と思って検査台の脚にリードをつけて試してみたところ、何を思ったかきーちゃんが急に動いてしまった!
するとドドドーーー!ときーちゃんと一緒に検査台も動いて大騒ぎ☆
「え〜? きーちゃん、何すんの〜ん?!」
ということで、いつもはきーちゃん奥の間(?)に引っ込んでおります。

 

やさしいお姉さんたちが、水の苦手なキーちゃんをシャンプーしてくれる時が大騒ぎ!!
大きな身体をバタバタ動かすので、思い切りシャボンや水しぶきが飛んでくる。
そのためお姉さんたち、シャンプー仕様の衣服に着替えてスタンバイOK!
頑張ってキレイにしてくれるお姉さんたちの苦労をよそに、ピカピカに白くなったカラダを早速地面にこする付け、あっという間に“灰色きーちゃん”に逆戻りして、お姉さんたち大ショック☆
それでも優しいスタッフのお姉さんたちは、わははと笑い飛ばして、そんなきーちゃんを大きな心で許してくれます。
「お姉さんたち、いつも本当にありがとう♪」

 

人のことが大好きで、触ってもらえれば超ご機嫌!
なぜか異常に鳩に反応する癖がありまして、お散歩中に鳩を見つけると猛ダッシュ!!
「おいおい、きーちゃん、ちょっと待ってよ〜!」と制止するのも大変だった若かりし頃。
さすがによる年波には勝てず、数年前からスタッフのお姉さんが張り切ってお散歩に連れて行ってくれても出だし好調なきーちゃんも、徐々にトーンダウンしてやがてはその場にストップ状態。
“あーしんど!”

 

見たところ“いつもお気楽きーちゃん”も、本当はとっても偉い子なんです。
輸血の必要がある重体のわんちゃんにきーちゃんは血液を提供して、何度もお友達の大切な命を助けてくれました。
そうなんです。きーちゃんは献血犬としても、とても頑張ってくれました。
幸いにして身体の大きなきーちゃんは、ちょっとやそっとの血液を採られてもへっちゃらで、採血後もパワー全開で駆け回っておりました。きーちゃん、本当に本当にありがとう。
ちょっとお年のきーちゃんは、献血犬としてのお仕事は引退したけれど、歯だってピッカピカ☆
まだまだ若いもんに負けません。二十歳目指して元気に頑張ります。

 

ちょっと大きくて太い声をしてるから男の子にしか見えないけれど(って言うか、おじいちゃん?)これでも気が優しく甘えん坊の、可愛い可愛い女の子(って言うか、おばあちゃん?)。
でも食べっぷりを見ると、やっぱり女の子には見えないな〜…。(もちろん、おばあちゃんにも…見えませ〜ん)

きーちゃんのその後のお話は「マスダ動物病院エピソード」に載っていますので、そちらも是非ご覧くださいね。

担当 増田葉子

 

 

 

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