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腎不全の診断について教えてください

(シェルティ/オス/12歳/名前・こう)
1週間前に腎不全と診断され、今、毎日、点滴と注射の治療を受けています。春頃から水をよく続き飲むようになり、その時の定期健診でBUN値とCRE値が、基準域をほんの少し超えていたのですが、「食事等により高く出ることもあるので、心配ないでしょう」と言われ、私も元気もあるので気にしていませんでした。
すると、5月頃から下痢が続き、レントゲンと血液検査で「腸がよく動いてないようなので、慢性炎症腸炎かもしれない」と言われ、腸炎の薬(サラゾピリンとプレドニゾロン)を飲むことになりました。この時、BUN値は36.4、CRE値は1.6でした。
しばらくして、下痢はだんだんよくなり、腸炎の薬を徐々に減らすことになりました。
が、7月に血尿が出ると膀胱炎と言われ、膀胱炎の薬が出ました。この時、BUN値は51.8、CRE値は2.3でした。
血尿はすぐにおさまり、再度、腸炎の薬を飲みはじめ、8月初めから食欲がなくなりました。そして、8/8血液検査の結果、BUN値は99.3、CRE値は4.8になっていて、腎不全と診断されました。レントゲンやエコーで、腎臓はみていません。
やはり、レントゲンやエコーで腎臓を診てもらった方がいいでしょうか?
そして、サラゾピリンは副作用で腎臓障害がでることがあるようですが、副作用で腎不全が進行することはありますか?
腎不全と診断されてはじめて、自分もいろいろ調べてみると、もっと早く腎不全と診断できたんじゃないかと思え、また今の治療も大丈夫かなと不安で、質問しました。
長々と申し訳ありません。よろしくお願いいたします。(こうさんより)


こうさん、こんにちは。
12歳/雄/シェルティのこうちゃんが、春頃より多飲の症状を示しながら、5月・7月・8月と、BUNおよびクレアチニン(Cre)の値が上昇してきて、最終的に8/8に腎不全と診断されたのですね。
こうさんのご質問は、より早期の診断方法および治療法に関してですね。

こうちゃんの、BUNやCreの上昇の仕方や、春頃からの飲水量の増加、12歳という年齢、これらの条件を統合して考えますと、腎不全の中でも慢性腎不全の可能性が高いと思われます。
慢性腎不全に関しては、第26回動物病院だよりおよび、hanakoさんいるかちゃんさんへの回答を参照してください。

次に、慢性腎不全の早期の診断に関してです。
早期の症状発見と早期の検査ということになると思いますので、以下に述べますが、現実的には、早期になればなるほど、発見は困難であります。

早期の症状の発見:極めて早期には元気も食欲もあり、外見上は全く健康に見えます。ただ、一般的には多飲・多尿という症状だけがみられます。
多飲・多尿を示す病気は、慢性腎不全以外にもいくつか存在します(第37回動物病院だよりを参照してください)。
したがって、多飲・多尿が見られても、それだけで慢性腎不全と決めつけるわけにはいきません。他の多飲・多尿を示す病気の可能性を否定しなくてはいけません。この点が、難しいのです。

早期の検査:多飲・多尿を科学的に証明するためには、1日の飲水量および1日の尿量を測定することですが、なかなか面倒です。
代わりに、尿比重を測定(重要です)する検査があります。
何度か日をあけて測定し、常に尿比重が低ければ、多飲・多尿が存在すると考えて良いことになります。
尿比重が常に低ければ、やはり次に、多飲・多尿を示す病気の中で何が考えられるのか検査等を行い、調べていくことが必要となります。

現実的には、高タンパク質食などでBUNは高値を示すこともありますので、食事内容を変更してのBUNの再検査も必要かもしれません。

レントゲンやエコー検査は、尿検査、血液検査などで、おおよそ慢性腎不全の診断がついた時点で、腎臓の大きさを調べたり、腎臓の腫瘍あるいは水腎症・嚢包腎などの特別な腎臓の病気により起こっている慢性腎不全なのかを調べる検査です。言い換えると、慢性腎不全と診断がついた次のステップとしての検査と言えるでしょう。

慢性腎不全は、完治する病気ではありません。
症状を抑えてあげたり、病気の進行を遅らせ、QOL(クオリティーオブライフ:質の高い生活ができるよう維持してあげること)の維持を目標とした治療ということになります。
治療は、点滴や食事療法が主体となりますが、先程、以前に私が回答した中に、おおよそのことが示されております。参考にしてみてください。

最後に、サラゾピリンに関してですが、正しく使用されている限り、腎臓に害を及ぼすことは、稀なことだと思います。(2005.8.17)